ウォーターハンマーって何?原因や対策を紹介
ウォーターハンマーは、水道管内で発生する突発的な圧力波で、配管システムに重大な損害を与える可能性があります。主な原因は、急なバルブの開閉やポンプの停止による水流の急激な変化です。本記事では、ウォーターハンマーの発生メカニズムをくわしく解説し、これに対する効果的な予防策や対処法をご紹介します。
ウォーターハンマーとは
ウォーターハンマーとは、水道管内で急激な圧力変化が発生する現象のことを指します。具体的には、流速の急激な変化により管内の圧力が過渡的に大幅に上昇または下降する現象です。この圧力変化は、配管システム全体にわたって波動として伝わり、大きな音や振動を伴うことがあるのです。
ウォーターハンマーが発生すると、管内の圧力が一時的に非常に高くなるため、配管や接続部に過度のストレスがかかります。これが原因で、管が破裂したり、接続部が外れたりすることがあります。
また、配管の支持金具が外れたり、固定が不十分な場合には、管自体が振動して騒音の原因となることも。このように、ウォーターハンマーは、配管システムの安全性と耐久性に重大な影響を与える現象です。
ウォーターハンマーが起こる原因
ウォーターハンマーが起こる原因は、配管内の水流の急激な変化による圧力変動です。以下に主な原因を詳しく説明します。
バルブの急閉
水流が高速で流れている状態でバルブを急に閉めると、その流れが突然停止し、管内の圧力が急上昇します。この急激な圧力変化が波動として管内に伝わり、ウォーターハンマーが発生するのです。
ポンプの急停止または起動
ポンプが急に停止したり急に起動した場合、配管内の水流が急変します。とくに、ポンプが停止するときには、流れが急停止し、その反動で圧力波が発生。また、ポンプが急に起動するときも、流れの急加速により圧力変動が起こり、ウォーターハンマーの原因となります。
水流の急激な方向転換
配管内で水流の方向が急に変わる場合も原因のひとつとなります。たとえば、急角度のエルボーやティーの部分で圧力が急変することがあります。このような急激な方向転換もウォーターハンマーの原因となることがあります。
配管内の空気の混入
配管内に空気が混入すると、水流が不安定になり、圧力変動が発生しやすくなります。空気が水流に押し流されるときに、急激な圧力変化を引き起こすことがあるのです。
逆止弁の急閉
逆止弁(逆流防止弁)が急に閉じると、その直後に水流が急停止し、圧力波が発生。この現象もウォーターハンマーの原因のひとつとなります。
配管の設計ミス
配管システムの設計が不適切な可能性も考えられます。たとえば、管径が適切でない、急角度の継手が多い、長距離の直線配管があるなど。これらは水流が安定しにくく、ウォーターハンマーが発生しやすくなる原因となります。
ウォーターハンマーの対策
ウォーターハンマーの対策は、配管システムの保護と長期的な信頼性を確保するために非常に重要です。ウォーターハンマーは、配管内の水流の急激な変化による圧力波が原因で発生します。これを防ぐためには、いくつかの効果的な対策を講じることが必要です。
バルブのハンドルをゆっくりと閉める
急激なバルブの閉鎖は、ウォーターハンマーの主要な原因です。そのため、急激な開閉を避けるようにし、ハンドルはゆっくりと閉めましょう。また、自動制御バルブの導入も効果的です。自動制御バルブを使用することで、操作速度を一定に保ち、急激な閉鎖を防ぎます。これにより、圧力変動を抑え、ウォーターハンマーのリスクを軽減することが可能です。
水撃防止器を設置する
水撃防止器はウォーターハンマーネスタとも呼ばれ、ウォーターハンマーを効果的に防止するための装置です。バルブのハンドル部分に水撃防止器を取り付けることで、バルブが急閉した際の圧力波を吸収し、ウォーターハンマーの発生を防ぎます。
また、配管システムの各接続部にも水撃防止器を設置。これにより、全体の圧力変動を緩和し、システム全体の安定性を向上させます。さらに、配管の適切な位置にエアチャンバーを設置することで、圧力波が発生した際に空気がクッションとして働き、圧力の急上昇を抑えることができます。エアチャンバーは、定期的なメンテナンスをおこない、効果を持続させることが重要です。
定期的なメンテナンス
定期的なメンテナンスは、ウォーターハンマーの発生を防ぐために欠かせません。バルブやポンプの動作状態を定期的に点検し、適切に動作しているか確認してください。さらに、水撃防止器やエアチャンバーの状態も定期的にチェックし、必要に応じて清掃や交換をおこないましょう。
まとめ
ウォーターハンマーは、水道配管システムに深刻なダメージを与える可能性がある現象です。主な原因は、水流の急激な変化やバルブの急閉、ポンプの急停止などです。これを防ぐためには、バルブ操作の注意、適切な配管設計、水撃防止器の設置などが効果的。もしウォーターハンマーが発生し、対策を講じても問題が解決しない場合は、専門の水漏れ修理業者や水道修理業者に相談することを強くおすすめします。専門家の手で迅速かつ確実に修理をおこなうことで、長期的な配管システムの安全性を確保できます。